遺品整理を業者に頼むときの注意|見積もりと契約
遺品整理を業者に頼むときは、複数の業者から見積もりを取り、作業内容・追加料金・キャンセル料を書面で確かめます。遺品を処分として運び出せるのは、市町村の許可か委託を受けた業者です。頼む前に家族でしておくこと、業者の選び方、当日の立ち会い、クーリング・オフを、国民生活センターの資料と法令をもとにまとめました。
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遺品整理を業者に頼むときは、複数の業者から見積もりを取り、作業の内容、追加料金がかかる場合、キャンセル料を書面で確かめてから契約します。遺品をごみとして運び出せるのは、市町村から委託を受けたか、一般廃棄物処理業の許可を受けた業者です。残しておきたい物は、作業の前に部屋から運び出しておきます。
親が一人で暮らしていた家を片付けることになり、遠方から通うのは難しい、賃貸の明け渡しの期限がある、といった事情で業者に頼む人は少なくありません。国民生活センターには、遺品整理の業者との間で料金や作業内容のトラブルになったという相談が寄せられています。頼む前にしておくこと、業者の選び方、契約と当日の注意を順に説明します。
業者に頼む前に、家族でしておくこと#
業者を呼ぶ前にしておくこと
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相続をどうするか(相続を放棄するかどうか)を家族で話し合う
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遺言書がないか探す
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通帳、印鑑、保険や年金の書類、不動産の権利証など、手続きに要る物を探して取り分ける
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写真、手紙、形見として残す物を決め、部屋から運び出しておく
相続を放棄するかどうか#
相続を放棄することを考えているときは、遺品を処分したり売ったりする前に、家族で話し合ってください。民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、相続を承認したものとみなすと定めています(第921条、2026年11月時点)。相続を承認するか放棄するかは、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に決めることになっています(第915条)。
民法e-Gov 法令検索(外部サイト)遺言書が見つかったとき#
遺品の中から遺言書が見つかったら、封がしてあれば開けずに取っておきます。民法は、遺言書を預かっている人、預かっている人がいなければ見つけた相続人は、遅れずに家庭裁判所に出して「検認」を受けなければならないとしています(第1004条)。封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などが立ち会わなければ開けられません。公正証書の遺言は、検認が要りません。
業者の選び方#
国民生活センターは、遺品整理の料金や作業内容は業者によってさまざまなので、複数の業者から見積もりを取り、料金と契約の内容を比べるよう勧めています。見積もりに来てもらうときに出張料や見積料がかかることもあるので、呼ぶ前にかかるかどうかを聞いておくよう助言しています。
国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日)国民生活センター(外部サイト)ごみとして運び出す業者の許可#
国民生活センターによると、家の遺品整理で捨てることにした物は一般廃棄物にあたります。一般廃棄物を運んだり処分したりできるのは、市町村から委託を受けた業者か、市町村長から一般廃棄物処理業の許可を受けた業者だけです。産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では、運べません。
許可のない業者に処分を頼むと、法律に反するうえ、不法投棄などにつながりかねないとしています。業者が許可を受けているかは、お住まいの市町村の窓口やホームページで確かめられます。広告を大きく出している業者が、許可を受けているとは限らないとしています。
国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日)国民生活センター(外部サイト)遺品を買い取ってもらうときは、相手に古物商の許可が要ります。国民生活センターは、「古物商許可証」や「行商従業者証」を確かめるよう助言しています。
見積書と契約で確かめること#
国民生活センターに寄せられた相談には、見積もりのつもりで呼んだ業者に「今日決めたら安くなる」とせかされてその場で契約した、作業の当日に追加料金を請求されて見積もりの2倍になった、というものがあります。作業内容や単価が書かれていない書面しかもらえなかった、契約書がなかったという例もあります。
契約の前に、次のことを書面で確かめます。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 作業日 | いつからいつまでか |
| 作業の内容 | 仕分け・運び出し・清掃 |
| 料金の内訳 | 人数・車・処分代 |
| 追加料金 | どんなときにかかるか |
| キャンセル料 | いつから、いくらか |
| 支払い方法 | いつ、何で払うか |
見積もりの金額が安いというだけで決めず、頼みたいことと内容が合っているかも比べます。
作業の当日#
処分された遺品は、取り戻せないことがあります
国民生活センターの資料には、大切な書類を残す約束だったのに、アルバムや電話機まで処分され、ごみ処理場に運ばれていて取り戻せなかった事例が紹介されています。残しておきたい物は、作業の前に部屋から運び出しておきます。運び出せないときは、残す物と処分する物を分けて、作業員に分かるよう印を付けておきます。
作業には、できるだけ立ち会います。作業を始める前に、料金と作業内容をもう一度確かめます。
作業の途中や終わったあとに、聞いていない高い料金を求められたときの対応も、国民生活センターが示しています。後日、納得した金額なら払うつもりがあることを伝えたうえで、その場で払うのは断ります。身の危険を感じるときは、警察に連絡するのも一つの方法としています。
クーリング・オフができる場合#
国民生活センターの資料によると、見積もりのためだけに家に呼んだ業者と、その場で契約した場合は、特定商取引法の「訪問販売」にあたります。訪問販売にあたるときは、記載に不備のない契約書面を受け取った日から8日以内なら、クーリング・オフができます。すでに払ったお金も、返すよう求められます。
一方、はじめから契約するつもりで業者を家に呼んだ場合は、訪問販売の決まりは当てはまらず、クーリング・オフはできないとしています。
契約や料金で困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センターなどに相談できます。消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの窓口を案内してもらえます。
スマートフォンやパソコンが残っているとき#
故人のスマートフォンやパソコンは、業者に処分を頼む前に、中の契約を確かめておきます。初期化すると、サブスクやネット銀行の手がかりがなくなるためです。確かめ方は、デジタル遺品の整理|スマホ・サブスク・ネット銀行の調べ方で説明しています。
まずは家族で、残す物と相続のことを話し合い、そのうえで2社以上に見積もりを頼んでください。